ミジンコでもわかるきっと大丈夫入門
少し前にお誕生日を迎えました 🎉
ハッピーバースデーを歌って、ポンタとタロウとバースデーケーキのローソクをフーッてやる予定でした。。
それなのに。。。。
ローソクとHAPPY BIRTHDAYのチョコレートプレートを店員さんが入れるのを忘れてしまったのです。。。
もう、びっくり。。。
バースデーケーキではなくて、ただのチョコレートケーキになっちまったじゃないか。。
。。。。
店員さん
お願いですからしっかりして下さいキリっ
と、ここでクレームを言ってスッキリしたところで。。。
一年の目標
ネフローゼ 再発防止
キラキラ輝く50代への準備
今振り返ると、昨年は再発発覚直後でお祝いどころではなかったな。。。
あれから何回落胆し、泣いたことだろう。。
わたし、結構頑張ったじゃん
もうきっと大丈夫
わーい 楽しくなるぞー
きっと大丈夫盛衰記
まず、今回入院することになった痙攣についてです。
虹翔くんは、脳症が原因で「ウエスト症候群」を発症していることがわかりました。
ウエスト症候群は、瞬間的に上肢をあげる発作を数分間繰り返すエピソードがあり、これが1日に何回もあるのが特徴です。
入院時の脳波検査では、2月8日の脳波と比べて、てんかん波や緩やかな波が色々な場所から出現していました。
異常波が多数出ているため、虹翔くん本来の脳の活動性が出なくなっている状態です。
やっぱり、発作だったんだ。
先生の話を、静かに聞いた。
ウエスト症候群は、難治性てんかんと言われる重症のてんかんです。
虹翔くんの本来の基礎波が、異常波に邪魔された状態が持続すると、発達が止まります。
また、一度できるようになったことができなくなります。
え。
そんなに深刻な、重症のてんかんだったの?
発達が止まる?
できてることができなくなる?
目に涙がたまっていった。
ウエスト症候群の治療には、抗てんかん薬治療とホルモン療法があります。
抗てんかん薬治療では、今使っているエクセグランが使用されます。
しかし、エクセグランだけで発作がコントロールできるようになる確率は30%です。
そのため、抗てんかん薬だけで効果がない場合はホルモン療法が選択されます。
たったの、、30%?
そんなに?低いの?
このホルモン療法は、ACTH療法とも呼ばれ、治療効果は60%ともっともよいものです。
虹翔くん自身のステロイドを、薬剤で分泌させるような治療です。
もし薬が効かなければ、ホルモン療法をやれば治る可能性は倍になる。
60%も治療効果があるんだもの、大丈夫、治る。
そう思った。
しかし、ステロイドの副作用として、免疫抑制、電解質異常、高血糖、脳出血があります。
ACTH療法をすると、脳が萎縮します。
萎縮しすぎると、脳をくるむ硬膜と脳の間にある血管が引っ張られて破れてしまい、出血します。
虹翔くんは前脳の萎縮のため既に水腫があり、ACTH療法による脳の萎縮により、更に出血のリスクが高くなります。
これは発達をより悪化させる危険があり、時に生命の危険も伴います。
そのため、ACTH療法は虹翔くんには危険と判断しています。
現在のエクセグランで治療効果がない場合、他の抗てんかん薬を併用します。
続く説明を聞いて、しばらく言葉が見つからなかった。
60%の希望がある治療、このてんかんには最有力の治療が、虹翔にはできない。
30%の希望にかけるしかない。
、、、どうして。
そして追い討ちをかけるように、先生は続けた。
治療効果がない場合、虹翔くんの発達は非常に難しいと言わざるを得ません。
体は成長しても、脳の発達は止まったままです。
つまり、虹翔君は現在できている追視、喃語以上のことが何もできない可能性が高いです。
涙が、止まらなかった。
隣を見ると、パパも泣いていた。
入院した時、もしかしたら難治性のてんかんの可能性が高いと言われた。
でも、何か直す術があるだろうと思っていた。
まさか、選びたくても選べない治療法があるなんて、思ってもみなかった。
どうしてだろう。
神様は、何をそこまで奪うのだろうか。
頑張り屋さんの虹翔に、これ以上何を頑張れというのか。
辛かった。
免疫不全症かもしれないと言われてずっとみてきてもらったのに、どうしてまた新たな難病を診断されないといけないのだろう。
先生に、ウエスト症候群になったのは脳症が原因だと言われた。
「ノロが原因ですか?」
そう聞くと、はっきりと、
「はい。」
と答えた。
その申し訳なさそうな顔、忘れない。
もしもノロにならなければ、脳症にはならなかった。
脳症にならなければ、ウエスト症候群になんかならなくてよかった。
悔しい思いが湧き上がった。
あの時のことが、フラッシュバックした。
避けられなかったかもしれないこと。
そんなことは分かっていても、こんなことになると、悔しくて悔しくて、お世話になっている先生や看護師さんたちにさえ、怒りの気持ちが湧いてしまった。
あの時ノロにならなかったら、、。
やっぱりそれは、大好きな大好きな、大切な我が子のことだったから。
虹翔がウエスト症候群になったこと、もうこれは変えられない事実。
拭っても拭っても止まらない涙。
虹翔の痙攣する動きや笑顔が頭に浮かんできて、ただただ辛くて悲しい気持ちだった。
PICUを出て、初めて笑ってくれた時、ものすごく嬉しかった。
目が開いたときも、声が聞けたときも、痛いことがわかって泣いたときも、虹翔がやっと戻って来たって思って、ものすごく嬉しかった。
そんな風に思ったのはつい最近。
成長する虹翔を見るのが楽しみだったのに。
それなのに、もしかしたらまたこの幸せを奪われるかもしれない。
虹翔は成長できないかもしれない。
成長できないどころか、できていることができなくなるかもしれない。
虹翔の笑った顔がまた、見られなくなるかもしれない、、。
看護学生の時、実習でてんかんの病棟へ行ったことがある。
数年前、まさか未来の自分の子が、てんかんになるなんて。
それも難治性の。
あの頃の私は、思いもしなかった。
自分の家族が難病と告げられた時の気持ち。
そんなの他人になんかわからない。
分かろうとしてくれたって、全部わかるわけがない。
私たちだって、初めて感じたこの気持ち。
パパと2人、初めての我が子に告げられた、難病。
この先、どんな未来が待っているのだろうか。
この時はただただ不安で、未来なんか見えなくて、希望なんか見えなくて。
出口の見えないトンネルに立ったような、そんな気持ちだった。
走っても走っても光が見えなくて。
それでも前に進むしかなくて。
長く続く暗闇を、走り抜ける気力なんかなかった。
周りに誰もいなくて、孤独で。
後ろを振り返ったって、入り口すら見えない。
心の中は、そんな感じだった。
虹翔の未来が、想像できなかった。