USM環境は一般枠はミミッキュ、霊獣ランドロス、ゲッコウガの3竦み、メガ枠はボーマンダ、リザードン、メタグロスの3竦みで固まってきており、上記6匹を中心にメガ枠を軸に一般枠で補完しているスタンパが主流である。
7世代では対策枠に対するメタが厚くなっているため、メタを考える際は”対策したいポケモン+裏の並び”まで考慮する必要があり、環境の把握は効果的なメタを貼る上で必須である。
そのためシーズン11時点の環境でどのような構築が流行っているかをメモとして記しておく。
◆ボーマンダ軸
マンダ入りはサイクル寄り構築が主流。
メタグロスやミミッキュの存在から起点を作って竜舞マンダで全抜きする構築は環境に少なめ。
・カバマンダガルドコケコゲッコ
環境に存在するマンダ軸で最もメジャーな並びである。
マンダ軸のカバは電気の一貫を切る枠として運用するためD振り混乱実持ちが主流である。
自由枠として入ってきやすいポケモンはカミツルギ(スカーフ)、キノガッサ、ミミッキュ等。総じて水タイプに打点のあるポケモンの採用率が高い。
・マンダナットドラン
こちらも高レートに使用者の多いメジャーな並びである。
見た目の並びに反してドランやナットレイでステロを撒いて削り、マンダの一貫を作るアグレッシブなサイクル戦を展開する前のめりの構築であり、そのためマンムー等の攻撃性能の高い地面枠が採用されやすい。
補完として採用されるポケモンもミミッキュ、ゲッコウガ、テテフ、フェローチェ等の攻撃的なポケモンが多く受け寄りのポケモンは入らない。
・カバマンダウツロカグヤ
受けサイクル寄りのマンダ軸。
残りの枠はスイクン、レヒレ等の水タイプとゲンガーの採用率が高め。
・ゲコミミマンダ
シーズン10の1位の使用構築。
襷撒き菱ゲッコウガで対面優位をとりつつ意地っ張りASマンダやASミミzミミッキュの確定数をズラす展開構築の並び。
補完として瞑想混乱実コケコやジャラランガが入ってくる。
◆リザードン軸
体感だが、リザを軸とした構築はy、補完のリザはxで採用されている。
極論、カバリザとコケコランドグロス以外のリザはxと見ていい。
・カバリザ
リザードンを軸とした構築はおおよそカバリザのみと言っていい。
リザードンは対面性能に優れない上に短期決戦向けのポケモンである故か、カバリザ軸はカバリザ+ガルーラガルドorテテフグロス+自由枠(ミミガッサゲッコウガアーゴヨン等)の耐久ポケモン+エースの並びとなる。
岩石封じグロスの増加に伴いカバルドンの持ち物はゴツメが主流。
リザx+カバの並びは稀で、その場合の見極めの方法のひとつとして、(体感ではあるが)鬼羽リザードンを軸とした受け寄りのサイクルになっていることが多い。
・リザランドテテフグロスorコケコランドリザグロス
リザランドの並びの場合、崩し性能のある炎打点としてグロスと共にリザxが採用されやすい。
リザx入りのテンプレであるリザランドテテフグロスの並びではだいたいがxだと見ていいが、例外としてコケコランドグロスの補完として入るリザはyであることも。
◆メタグロス軸
グロスを軸とした構築はグロスの欠点を補うためにサイクル寄りになり、かつグロスを通せる範囲を広げるため意地っ張りにして崩し範囲を広げている。
一方で補完のグロスは岩封草結びグロスやバレパン切りフルアタのような範囲を絞った型や対面性能に特化した型が多め。
・陽気グロス
陽気グロスの場合、軸としての採用より補完としての採用が散見される。
コケコランド、カバリザ、カバマンダ、ラティクチ等と共に採用されているグロスは大体が陽気である。
カバリザやカバマンダのグロスは裏メガとして汎用性を重視したテンプレフルアタが多く、ラティクチのようなカバリザが重い構築に採用されたグロスは岩石封じを持っている。
・ポリグライグロス(カビグライグロス)
地面枠としてグライオンが採用されたグロス軸はグロスの性格が意地っ張りとなり、耐久ノーマル(ポリ2orカビゴン)、水枠が入るのが特徴。
メタグロス+グライオン+耐久ノーマル(ポリ2orカビゴン)+水枠(レヒレorドヒドイデorゲッコウガ)+自由枠(ミミッキュ、ヒートロトム、アーゴヨン、サザンドラ、リザードン)の並びがテンプレ。
・バンギランドロトムレヒレグロス
グライオンが入らない意地っ張りグロス軸の派生の一つ。
@1はモロバレルやジャローダ等の草タイプが入りやすい。
※サザングロスは並びのバリエーションが多すぎるので割愛。
◆クチート軸
崩し性能が高く、ミミッキュやメタグロスとの対面で不利をとらない性能を評価されて対面構築の軸、または補完として採用される。
・ポリクチミミガッサ
説明不要のクチート軸のテンプレ。
・ゲコミミクチート
蜻蛉を採用した襷激流ゲッコウガとクチートを軸としたトリルに依存しない対面構築。通称アグロクチート。
ミミッキュは基本的に呪いトリル型。
ポリクチミミガッサと統合されているタイプか、非メガの竜舞ギャラドスで補完されている並びも存在する。
・ラティクチ
ラティアスとクチートの組み合わせ。
使用者によって並びのブレ幅が大きいが、概ねクチート+ラティ+ランド+水枠(ゲッコorレヒレ)+鋼枠(グロス、ツルギ等)+自由枠(ミミッキュ、ポリ等)の並びで組まれている。
並び的にも実績的にも6世代の頃のサザングロスを彷彿とさせる。
◆ゲンガー軸
メガ枠3強のリザードン、ボーマンダ、メタグロスをスリップダメージ込みで上から縛る事が出来るからか環境メタとして一定数存在する。
この性質上ステロ展開での採用が多い。
ミミッキュに対して大きく隙を晒すからか、メガゲンガー軸自体は下火である。
・ステロ+ゲンガー
襷ステロ爆発ランド+フルアタゲンガー。
ステロ込みで多くのポケモンを縛れるメガゲンガーの攻撃性能を活かした最もメジャーなメガゲンガー軸。残り
の4枠は種々雑多だが殆どがガルミミガッサやメタグロス絡みの対面の並びで組まれている。
グロス軸の場合ジャラランガも採用されやすく、ランドゲンガーグロスジャラランガはステロゲンガー軸のテンプレのひとつである。
・受けループ(ゲンガースタン)
説明不要。
ゲンガー入りの受けループはゲンガーで1匹潰して後続で相手を詰ませるか、ゲンガーの一貫を作る前よりの戦い方が主流。
高レートの受けループは愚直に受け回すような戦い方はせず、展開構築の側面が強くなっている。
※この他テテフランドゲンガー、ゲンガナンス、ゲンガーカグヤ軸のサイクル等の構築が存在するが割愛
◆ラグラージ軸(雨パ)
愛好者が一定数存在する。
ミミッキュやメタグロスに隙を晒さず、対面+後続への一貫をとれる火力のあるエースはUSM環境において評価が高い傾向がある。
・トノラグ、ペリラグ
トノorペリ+ラグ+マンダ+コケコ+鋼(ナットorツルギorガルド)+自由枠(ミミッキュ等)
トノorペリ+ラグ+グロス+電気(コケコorボルト)+ミミッキュ+α(ランド、ジャローダ等)
どちらも補完の並びはおおよそ共通していて、この2パターンが主流。
ポリクチと組まれた雨パの場合は雨起動要員がトリル下のアタッカー型であることを警戒しておきたい。
◆その他メガ枠
・メガギャラドス軸
メガギャラドスが軸と呼べるものはギャラアゴハッサムくらいである。
どちらかといえばポリクチ、ハッサム、ルカリオ等の鋼メガの補完としてメガバンギラスとの選択で採用されていることが多い。
・バシャーモ軸
ボルトカグヤと組まれたバシャバトン軸が主流。
純粋にメガバシャーモを通すタイプだと地震の採用が多めだが、純粋なメガバシャーモ軸は数が少なく見極めが難しい。
・ガルーラ軸
ガルゲッコランドやガルミミガッサ等の対面軸、ガルクレセのようなクッション枠を採用した形も。
受けポケモンに弱いためオニゴーリや催眠デンジュモクと一緒に組まれていることが多く、逆にこれらと組まれていないガルーラはグロパン持ちを警戒したい。
・ハッサム軸
メガギャラドスと組まれている展開軸のものと、ラティハッサムサンダーのようなサイクル軸のものがある。
対メタグロスを安定させるためか展開軸のメガハッサムも羽休めを採用している。
どの軸にせよヒードランの採用率が非常に高いのでハッサムの対策はヒードランとセットで考えるよう心がけること。
・ミミロップ軸
ミミロップカビムドーグライアゴ@1
通称754パと呼ばれる並び。この構築の影響でミミロップが環境に一定数存在する。
ミミロップ軸はミミロップ+クレセ+鋼やミミロップ+カグヤ等、補完が耐久ポケモンの並びになりがち。
・ルカリオ軸
対面性能が低めで火力と崩し性能が高いというリザードンと似た性質であるからか、クッション枠とセットで運用されることが多い。
詳しくないので割愛。
※その他メガ枠、バトンパ、純正受けループ等の特殊な構築は環境に少ないため割愛
◆補完枠の考察
補完として採用されるポケモンの中で特に採用率が高いミミッキュ、ゲッコウガ、霊獣ランドロスの性能や採用傾向等をチェック。
・ミミッキュ
いかなる並びを考慮する上でも対策必須。
環境に存在する全ての構築に入りうる性質上USM環境はミミッキュを中心にメタが展開されている。
構築の軸としてボーマンダ、リザードン、メタグロスの採用率が抜きん出ている主な理由はミミッキュ入りに大して隙を晒さないため。一方でメガゲンガー等のミミッキュに対して隙を見せるポケモンの採用率が伸び悩んでいる。
また、対ミミッキュのためにクッション枠として霊獣ランドロスやカバルドンの採用が主流となっており、それほどまでに環境への影響力が大きいポケモンである。
どのような構築にも入りうるが、対面寄りの構築や耐久ポケモン+エースの構築への採用率が高く、カバマンダ、ポリグライグロス系統のサイクル重視の構築への採用率はやや低め。
対面寄りの構築のミミッキュは通せる範囲が広いゴーストz、もしくは削り性能の高い呪い身代わり型が多い。
一方でサイクル構築のミミッキュはストッパーとしての性能が求められるため呪いやトリルが採用されたミミz持ちや襷持ちが主流である。
数は少ないが電磁波や鬼火を撒くサポート特化のミミッキュも存在し、それらは展開構築で採用される。
・ゲッコウガ
激流ゲッコウガの開拓以降、低火力故の対面性能の低さを克服してミミッキュに次いで環境への影響力が大きいポケモンとなっている。
とはいえ混乱実コケコ、ポリ2、レヒレ等の一般枠での対策で間に合うからかメガ枠の採用基準を歪めるほどの影響力を持つには至っていない。
採用基準はミミッキュとおおよそ同じだが、対面構築かサイクル構築かでの型の判別が難しい。
対面構築の場合はゲッコウガで広い範囲の崩しを行うために襷or水zの激流ゲッコウガであることが多いが、サイクルを回す構築のゲッコウガは相手の構築が何に薄いかでうまく見極める必要がある。
例えば、マンダやニトチャリザが重い構築のゲッコウガはスカーフであるし、あらかさまにレヒレに薄い場合は草zを警戒したい。
ゲッコウガを採用した構築の地面枠はカバルドンや混乱実ランドロス等のクッションになりがちなことを覚えておくこと。
・霊獣ランドロス
主に対ミミッキュ性能を評価されてクッションとして採用される他、崩し運用やストッパー運用も可能で圧倒的な汎用性の高さを誇る。
リザードン、ゲッコウガ、ルカリオ等の低耐久もしくは崩し性能のあるポケモンと組まれている場合はゴツメ、混乱実、チョッキ、スカーフ等の対面性能かクッション性能を重視した型である。
一方でグロスと組まれたランドロスは身代わりビルドや剣舞z等の崩しの形を警戒したい。