ところがどっこい、戦場です!
)倉田美優
え、目立つんですよ?
戦場から始まる恋もある
「将棋界の一番長い日」
第77期A級順位戦/最終戦・一斉対局を明日に控える
将棋界では本日も公式戦が精力的に行なわれています。
今回はその中から
第90期棋聖戦の二次予選/決勝を舞台に実現した
「木村一基九段-阿部健治郎七段」の一戦の模様を
ご紹介させていただきます。。
木村九段の今期ここまでの成績は
35戦23勝12敗(.657)。順位戦はB級1組で7勝4敗。
阿部七段の今期ここまでの成績は
33戦19勝14敗(.576)。順位戦はC級1組で7勝3敗。
深い研究と試合巧者として知られる
両者の対戦成績はここまで3戦して、木村九段の3連勝。
さすがの貫禄を示し、本局を迎えました。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: なし
先手は木村九段。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。
対します、阿部七段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
戦型は「相掛かり」となりました。。
8手目△3四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: なし
双方、角頭を金で受けてから
右の銀を立てた木村九段に対し(7手目▲3八銀)
阿部七段は追随せずに角道を開きます。。
この手をみて、木村九段は。。
9手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: なし
角道は保留したまま
飛車先2筋の歩を突き合わせました。。
12手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△阿部七段: 歩
以下、△同歩~▲同飛の進行で
木村九段が飛車を走らせ歩交換が成立した
次の瞬間、阿部七段も自らの飛車先8筋で
歩を突き合わせました。。
17手目▲9六歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△阿部七段: 歩2
ともに飛車先の歩を切り、一歩を手にすると
8筋のキズを消し、後手の飛車を追い払った
木村九段は9筋の端歩を突きます。。
この手をみて、阿部七段が
浮いたままの先手の飛車先へ歩を打ち
引き場所を打診すると(18手目△2三歩)。。
19手目▲2八飛。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△阿部七段: 歩
木村九段は
飛車を元居た2八の地点まで引き下げました。。
27手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△阿部七段: 歩
互いに飛車先の攻防がおさまると
居玉のまま、自陣の駒組みを進行させ
木村九段は銀を足早に戦場へと繰り上げ
「腰掛銀」に形を決めました。。
次に、後手も5筋に銀を繰り出せば
「相腰掛銀」となりましたが、阿部七段は銀ではなく
歩を突き出して、先手の銀に圧力をかけますが。。
(28手目△5四歩)
29手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: 歩
△阿部七段: 歩
木村九段は構うことなく
4筋の歩を突き合わせ、早くも仕掛けを開始します。。
33手目▲4四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: 歩2
阿部七段が△同歩(30手目)で応じると
木村九段はサッと角を戦場に迫り出し(31手目▲6六角)
後手の飛車に当てて6筋に引き寄せてから、歩を突き捨てた
4筋に激痛の叩きを入れて、攻防の主導権を握りました。。
35手目▲7七桂。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: 歩2
阿部七段がこの一手しかない
狙われた銀を5筋に引くと(34手目△5二銀)
4筋に拠点を作った木村九段は左の桂馬を跳躍。。
軽快に駒を盛り上げて行きます。。
好調な先手に対して
このまま飛車・角の大駒が押さえ込まれては
勝負にならないと、阿部七段は次に。。
36手目△6六飛。
上図での持ち駒
▲木村九段: なし
△阿部七段: 角、歩2
飛車切りの強襲で角を捕獲。。
力づくでの局面打破を決断しました。。
しかし。。
43手目▲5四銀。
上図での持ち駒
▲木村九段: 飛、歩
△阿部七段: 角、歩2
木村九段の▲同歩(37手目)をみて
阿部七段は自陣に手を戻し、居玉を解除(38手目△6二玉)。。
あっさりと手番を握った木村九段はスルスルと銀を上昇させて
後手陣へ直接圧力をかけ、攻勢に転じました。。
47手目▲2四歩。
上図での持ち駒
▲木村九段: 飛、歩
△阿部七段: 角、歩
阿部七段は4筋の歩を成り捨て
自陣に歩を打ち、専守防衛に徹しますが
木村九段は返す刀で飛車先から突っかけ
駒音高く、追撃を開始します。。
阿部七段は△同歩(48手目)と応じざるを得ず、以下
▲2三歩~△同金~▲4三歩成~△同歩に▲4二飛~
△5一金~▲3二飛成~△1四角~▲2三龍~△同角~
▲2四飛~△1四角をみて下図61手目▲2二飛成と進行。。
61手目▲2三龍。
上図での持ち駒
▲木村九段: 角、金、歩
△阿部七段: 飛、歩4
木村九段はダイナミックな駒捌きで敵陣突破に成功。
直後に、阿部七段も金と捕獲し、馬を作り抵抗しますが。。
(62手目△4七角成)
63手目▲6三金。
上図での持ち駒
▲木村九段: 角、歩
△阿部七段: 飛、金、歩4
すでに勝勢の木村九段は
ガツンと金を叩き込み、勝負を決めに出ました。。
【 投了図・69手目▲6三角 】
投了図での持ち駒
▲木村九段: 金、銀、歩
△阿部七段: 飛2、金2、歩4
一方的な寄せを前に、為す術なく
阿部七段は上図の局面で無念の投了を告げました。。
明日の「将棋界の一番長い日」で
名古屋で開催される解説会に参加される木村九段は
前日対局で会心の勝利を飾り、見事本戦入りが決定。。
明日は気分良く
舌好調の木村節が名古屋の夜に響き渡りそうです☆
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王将戦/第4局終局直後の感想
王将戦/第4局・一日目の所感
決戦の舞台は18年ぶりの沖縄
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新しいタイトル戦で目指す、次のステージへ
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藤井七段、衝撃の朝日杯2連覇達成!
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秀英対決はともに譲らず。。決着は最終戦へ
戦場 美しい日本語を喋る、大人のラジオ局
日曜午前のお楽しみ
第68回NHK杯将棋トーナメントは今が佳境。
24日には準々決勝最後にして注目の好カード
「広瀬章人竜王-郷田真隆九段」が放送されました。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲郷田九段: なし
△広瀬竜王: なし
羽生善治九段、森内俊之九段、丸山忠久九段と
「羽生世代」の英雄が次々とベスト4に名乗りをあげ
大きな話題を集める中、準決勝最後のイスを懸けて
無頼な剣豪・郷田真隆九段が登場。
おのずと期待と幻想が高まる本局で
先手を得た郷田九段の初手は、角道を開く▲7六歩から。。
対します、広瀬竜王は2手目に飛車先を突く△8四歩と返し
こちらは居飛車を明示して、対局はスタート。。
3手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲郷田九段: なし
△広瀬竜王: なし
戦型の選択権を先手に委ねた竜王に対し
生粋の居飛車党にして本格正統派の郷田九段は
3手目▲6八銀とし、居飛車の看板戦法である
「矢倉」での勝負を指向しました。。
14手目△7四歩。
上図での持ち駒
▲郷田九段: なし
△広瀬竜王: なし
しかし、確立された定跡手順の進行とはならず
角道を銀で止めた郷田九段が(5手目▲7七銀)
玉を6九の地点へ一マス移動したのをみて(13手目)
広瀬竜王は飛車のコビンを開き、急戦投入を示唆。。
すると、郷田九段も
同じく飛車のコビンを開き(15手目▲3六歩)
序盤から緊張感漂う駒組みの進行となりました。。
19手目▲4六銀。
上図での持ち駒
▲郷田九段: なし
△広瀬竜王: なし
広瀬竜王は歩を突いた7筋に桂馬を跳ね
角の利きとも連動させ、上空から圧力をかけます。。
しかし、郷田九段が次に攻撃の銀を4筋の戦場に繰り出し
「早繰り銀」に構えると、広瀬竜王は△4四歩(20手目)と突き
ひとまず角道を止めました。。
すると、次の瞬間
21手目▲3五歩。
上図での持ち駒
▲郷田九段: なし
△広瀬竜王: なし
郷田九段はケレン味なく
3筋の歩を突き合わせ、仕掛けを開始しました。。
広瀬竜王は4三銀(22手目)と立て、以下
▲3四歩~△同銀~▲3八飛~△3三銀に▲2五歩~
△5二金~▲2八飛~△4五歩~▲同銀~△8六歩~
▲同銀をみて、下図34手目△8八角成と進行。。
34手目△8八角成。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 歩3
△広瀬竜王: 角、歩
3筋で歩の交換が成立すると
流れの中で反撃に転じた広瀬竜王が角交換を敢行。。
次に郷田九段のこの一手、▲同金(35手目)をみて。。
36手目△6五桂。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 角、歩3
△広瀬竜王: 角、歩
7三の地点に待機していた
右の桂馬を爽やかに跳躍、攻勢を強めます。。
が、しかし
45手目▲7七桂。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 歩3
△広瀬竜王: 角、歩2
郷田九段は4六の好所に手持ちの角を投入。
角交換を挟んでから、2筋の歩を突き捨てると
左の桂馬を跳躍させて捌きに出ました。。
広瀬竜王はこの申し出を受け入れず
8
筋に歩を打ち込み、銀取りを狙います。。
(46手目△8五歩)
48手目△8六歩。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 桂、歩3
△広瀬竜王: 角、銀、歩
郷田九段が銀を逃げずに桂馬を捕獲すると
同歩では飛車が素抜かれる広瀬竜王は銀を捕獲。。
互いに意志を貫く進行から、手番を握った郷田九段は。。
49手目▲7三桂成。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 桂、歩3
△広瀬竜王: 角、銀、歩
そのまま桂馬の三段跳びを敢行。。
華々しく敵陣に飛び込み、いざ開戦を告げました。。
54手目△8七歩成。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 銀、歩3
△広瀬竜王: 角、銀、桂、歩2
互いに我が道を行く攻防は続き
広瀬竜王は桂馬の両取りに構うことなく(53手目▲5五桂)
飛車先からの敵陣突破を狙います。。
66手目△7八角。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 銀、桂、歩5
△広瀬竜王: 桂、歩2
先に先手に飛車の成り込みを許すも
狙い通りに飛車先突破を成し遂げた広瀬竜王は
そのまま力づくでの寄せに入りますが。。
79手目▲4四桂。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 金、銀2、歩4
△広瀬竜王: 銀、桂2、歩2
郷田九段は機をみて鋭く反撃に転じ
電光石火で鮮やかに後手玉を縛り上げました。。
80手目△6九角成。
上図での持ち駒
▲郷田九段: 金、銀2、歩4
△広瀬竜王: 銀、桂2、歩2
自玉に「詰めろ」がかかった
広瀬竜王は最後の攻め合いに全てを懸けますが。。
【 投了図・103手目▲9三桂成 】
投了図での持ち駒
▲郷田九段: 金、銀、歩4
△広瀬竜王: 金、銀2、桂、歩2
先手玉を捕らえることは叶わず。。
握った手番で寄せに入った郷田九段の前に
上図で力尽き、広瀬竜王は無念の投了を告げました。。
持ち味発揮で見事な快勝を飾った郷田九段は
同世代の盟友が待つ、ベスト4へと勝ち名乗り。。
優勝を目指し、まずは準決勝では
因縁浅からぬ森内九段と激突。。これは楽しみ!!
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