酒と泪と男とヘッドフォン
*本記事は、2018年2月22日に公開した記事を加筆・訂正したものです。最後にボーナス・トラック2曲を除く全14曲の対訳をリンクしています。
ビヨンセ(Beyoncé)がスーパーボウルのハーフタイムショーでしてから2年が経った。アンアポロジェティックにブラック・エクセレンスを賛美する同パフォーマンスもあり、2016年2月が白人史上主義者にとって史上最悪の黒人歴史月間(Black History Month)だと言われたことも記憶に新しい。彼女は同年4月にアルバムをリリース。黒人女性としてのストラグルを描き切った同作が、2016年を代表する一枚となったことは言うまでもないが、その始まりはやはり同年の2月であった。
しかし、本年(2018年)の2月は、これまでのところ、その「史上最悪」を更新しつつあるようにもみえる。なにしろ、マーベル初の黒人ヒーローを据えた映画が公開され、これが記録的な大ヒットとなっているばかりでなく、すこぶる好評なのだ。やを手がけたライアン・クーグラー監督の同作は、3月1日(木)より日本でも公開される。同作については2月26日(月)掲載予定の別稿を読んでいただきたく、本記事で詳しく触れることはしないが、ぜひとも劇場に足を運んで観てほしい。アクションやユーモアといった要素に加え、同作のポジティブなメッセージは、ここ日本でも多くの人々の胸に響くものと信じている。なお、同作のオフィシャル・サウンドトラックのプロダクションを任されたケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)と、所属レーベルTDE (Top Dawg Entertainment)のCEO=アンソニー・”トップ・ドッグ”・ティフィス(Anthony “Top Dawg” Tiffith)は、南アフリカのアーティスト4人を起用。こちらも映画と同様、ブラック・エクセレンスを体現するかのような内容となっており、映画とも密接にリンクしている。
クレンショーからの戦略的遅咲きデビュー
さて、そんな今年の黒人歴史月間であるが、LAはクレンショー出身の一人のラッパーが祝福の時を迎えたことも忘れてはならない。ニプシー・ハッスル(Nipsey Hussle)が待望のデビュー・アルバム『Victory Lap』をリリースしたのだ。
Nipsey Hussle,
Image via iTunes
俺はコントロールすること、公平なオーナーシップを持つことには本当に拘ってきた。これ(=今回の大手レーベルとの契約)はネクスト・レベルでのパートナーシップなんだ。やるべき仕事は山ほどあった。伝統的な、いわば産業の「エゴ・システム」の外で、価値を築かなきゃいけなかったんだよ。それがあるレベルに達して初めて、俺らの求めるものが意味をなした。(パートナーに求めるものを)正当化できるレベルになったんだ。《中略》俺のやり方でやるってことが重要だった。俺は自分のキャリアを賭けたんだ。こんなふうにならないなら、望んでなかった。
軸足をフッドに
Fuel for Everyone Gettin It
そんなニプシーのアルバムだけあって、『Victory Lap』は実にエモーショナルで、モチベーショナルで、インスピレーショナルだ。ヒップホップ・ジャーナリストのロブ・マークマン(Rob Markman)は、同作を「何かを手に入れようとする全ての人にとっての燃料」と形容している。
Victory Lap is fuel for everyone gettin it.
彼の言葉どおり、同作は何らかのストラグルを経験
ている全ての人、特に若き日のニプシーと同じ境遇にいるフッドの人々を鼓舞する内容となっている。アルバム全編にわたって、ニプシーはストリートやラップ・ゲームで生き抜くためのゲーム(知恵)をトロップしている。
フッド・ライフの描写
Every nigga in the streets tryna feed the babiesThe single mama’s workin’ hard not to miss a paymentAnd dirty money get washed on royalty statementsBlack owners in this game are powerful racists(ストリートの奴はみんなガキに食わせようとしシングルマザーも支払に遅れないよう必死汚い金はロイヤルティー報告書で流されちまうゲームの黒人オーナーは強大なレイシスト)
こうした日常を、ニプシー自身も経験してきたのだろう。ホーミーへの愛を忘れないニプシーは、「Young Ni**a」で、危ない目に遭った自分を友人が助けてくれたエピソードも披露する。
Remember I was on the run, nigga
Couple years before you had a son, nigga
Open up your doors and kept it one with me
Held a nigga down and that was love, nigga
(俺が逃げてたの、憶えてるか?
お前の息子が生まれる数年前だ
お前はドアを開けて俺を入れて
匿ってくれたな、あれは愛だった)
さらに、「Real Big」では以下のようなことも語っている。彼の育った環境がいかに荒廃したものだったかが窺えるとともに、それでも信念を持ってやり続ければ光が見えるかもしれないと、同じ境遇にいるリスナーは勇気づけられるにちがいない。
High school, didn’t go
Couldn’t understand my plan, now you niggas know
Self made, well paid
I’m from where they tell you never touch the shell case
I’m from where they teach you never trust a pale face
(高校には行かなかった
俺のプランが今なら分かるだろ
セルフ・メイドでよく稼いだ
薬莢を触るなって言われたし
白人を信じるなって言われた、そんな育ちさ)
グラインドの日々
では、ニプシーはそんな環境からいかにして抜け出したのだろうか。その答えは「グラインド」一択である。その努力には自負があるようで、「Grinding All My Life」では以下のように語っている。
I don’t know a nigga like myself
I say self-made, meanin’ I designed myself
(俺みたいな奴なんて他に知らない
俺がセルフ・メイドって言うのは、自分をデザインしたって意味)
さらに、「Million While You Young」では
Can’t be actin’ like a bitch tryna get saved, bruh
Get that dirt up off your shoulder, step yo game up
(救われたいビッチみたく振る舞ってらんないぜ
ネガティビティを払い、ゲームを駆け上がる)
ともラップしており、成功に向けての執念が並大抵のものでなかったことを窺わせる。
高い場所からのエール
ニプシーは今でもハッスルしているが、それだけではない。現在の地位を手に入れたニプシーにとっては、人々をモチベートすることも関心事だ。だから、「Hussle & Motivate」でこんなことを言っている。
Pull up in motorcades, I got a show today
It’s all I’m tryna do, hustle and motivate
Choppers and throwaway, hustle the Hova way
That’s why they follow me, huh, they think I know the way
(自動車行列に車を停める、今日はショウがある
俺がやりたいのはハッスルとモチベートだけ
銃と使い捨てのものでホヴァみたくハッスル
だからみんなついてくる、道を知ってるぜ)
ハッスル/グラインドを経て成功したニプシーは、その位置からの景色を、タイトル・トラックで誇らしげにラップする。
Flew to Cancun, smokin’ Cubans on the boat
And docked at Tulum just to smoke
Listening to music at the Mayan Ruins
True devotion on the bluest ocean, cruisin’
(カンクンに飛んで、船でキューバの葉巻を吸う
トゥルムに着けて一服だけした
マヤ遺跡で音楽を聴いてる
真っ青な海に愛情を捧げてクルーズするんだ)
ここでの「真っ青な海」はお金のことを指す(新しい100ドル札は青いことから)と考えられるが、その前段で様々な地名を列挙していることも注目に値する。フッドだけでない広い世界をホーミーたちに見せようとしているかのようだ。
そして、そんなニプシーからのメッセージが最高にエモーショナルなのが「Dedication」だ。
This ain’t entertainment, it’s for niggas on the slave ship
These songs just the spirituals I swam against them waves wit
Ended up on shore to their amazement
I hope the example I set’s not contagious
Lock us behind gates but can’t tame us
(これはエンターテインメントじゃない、奴隷船に乗った奴らに捧げる
これらの聖歌を聴いて、俺は荒波に向かって泳いだんだ
奴らの驚くことに岸に辿り着いたさ
俺が示した例が流行に終わらないことを願う
俺らは門の奥で囚われても、手懐けられない)
新しいブラック・エクセレンスのかたち
シーの活躍を間近で見て、インスパイアされるキッズは少なくないはずだ。
対訳
- *
- Double Up (feat. Belly & DOM KENNEDY)**
- Right Hand 2 God**
*洋楽ラップを10倍楽しむマガジンにリンクしています
**都合上、対訳を掲載しておりません
〜出典〜
放浪者からの視点で読み解くヘッドフォン
この日も海に入る前に。。。
格式高いこのホテル、
もうここもハレクラニ同様、、、
この絶景を見ながら、ピアノの演奏ができるなんて。。。
20代の時、自分の将来の夢を語ったら、
ハワイにいると、
流石にこの後海で泳ぎながら、
ALOHA
📧
ヘッドフォンはなぜフランス人に人気なのか
この日も海に入る前に。。。
格式高いこのホテル、
もうここもハレクラニ同様、、、
この絶景を見ながら、ピアノの演奏ができるなんて。。。
20代の時、自分の将来の夢を語ったら、
ハワイにいると、
流石にこの後海で泳ぎながら、
ALOHA
📧
ヘッドフォン 関連ツイート
久しぶりに1駅分歩いたからなぁ…
そういえばワタルのヘッドフォン宅配ボックスに届いていたんだけど不在票入ってなかったのよね…
宅配ボックスは家庭に通知が来るから確実に受け取れたけど、以前他人の荷物入ってた事もあるから気を付けないと…
で、不在票無いのはどうしよう?