尊敬する内心が、オトーサンやらタモリさんだったりするのは、ちょっとサミシイ気もする。
深夜のレギュラー番組の中で
洗濯物に花粉が付かない方法を訊かれ、
「おまじないです」
と、答えてから内心『ヤベッ・・・』
と少々焦った。
周りも動揺するようなメルヘンな答えを
メインキャスターにも弄られたが、
それは雅紀と俺の朝の習慣だったから・・・。
冬が終わりに近付き春の訪れを感じ始めると
あいつの気配も感じ始める。
それは俺が直接感じる事ではなく、
雅紀の目が潤み鼻がグスグスなり始めるから
『花粉の季節がやって来たのか・・・』
と分かる。
季節になる前に注射をしたり薬を飲んだりして
対策を講じても毎年辛そうにしているから、
気休めでも何かしてやりたくて始めたことだった。
今日は先に家を出る雅紀が、
靴を履いて立ち上がると振り向いて
見送る俺を笑顔で見上げる。
そんな雅紀を包むように抱きしめて、
「雅紀に花粉は付かない。
雅紀は花粉なんかに負けない!」
と耳元で囁いてから
体に廻した腕にぎゅっと力を込めると、
「うん、負けない!」
と雅紀が頷いて体を放した。
これが今年から始めた、
出かける前に行われる二人の習慣。
体を離した雅紀が
何かを思い出したようにクスクス笑うから、
「何?」
と問いかけると、
「・・・だって、しょぉちゃん、この前ZEROで
洗濯物に花粉が付かない方法訊かれて
『おまじない』って答えてたじゃん。
絶対この事思い出してるなって思ったんだ」
と、くふふふ・・・と笑う。
・・・そうだよ。
だから、つい口を突いて出てしまった言葉に
内心焦ったんだよ。
「気休めだけどな・・・」
心の声が悟られないように言うと、
「そんな事無いよ!今年まだ全然平気だし!」
と気を遣ってくれる。だけど、
「それは、お前が色々対策してるからだろ?」
毎年情報を仕入れて、乳酸菌を摂ったり
鼻うがいをしたりと、体質改善の努力を
雅紀なりに頑張っている。
自嘲気味になる俺に、
「しょぉちゃんがおまじないしてくれるから
今年頑張れてるのもホントだよ。
おまじない、やめるなんて言わないでね?」
『上目遣い小首傾げ』の必殺技を久しぶりに
繰り出して来た。
・・・・・これに敵うヤツがいるんだろうか?
「やめないよ」
敵わない俺はあっさりと降伏する。
「くふふふ、良かったぁ」
と綺麗な笑顔を見せる雅紀に
俺の中で別の心配が出て来た。
「じゃ、行ってきます」
と行こうとする雅紀の腕を引き寄せると、
段差で俺より低い雅紀の顎を掬い上げ
覆いかぶさるようにキスをする。
唇が触れる寸前まで
驚きに見開かれた黒曜石の瞳に
独占欲をむき出しにした男が写っていた。
「いきなりどうしたの?」
と、頬を染めて目と唇を潤ませた雅紀に、
「おまじない」
と答えると、
「これもおまじないなの?くふふふ・・・」
と嬉しそうに笑い、
「今日も花粉に負けないぞー!」
と元気に玄関を出て行ったけど・・・、
・・・・・・違うよ、雅紀・・・。
今のはおまじないだけど
花粉が付かないおまじないじゃなくて、
無邪気に笑顔を振り撒くお前に
害虫が付かないようにするおまじないだよ・・・。
あの娘ぼくが内心決めたらどんな顔するだろう
深夜のレギュラー番組の中で
洗濯物に花粉が付かない方法を訊かれ、
「おまじないです」
と、答えてから内心『ヤベッ・・・』
と少々焦った。
周りも動揺するようなメルヘンな答えを
メインキャスターにも弄られたが、
それは雅紀と俺の朝の習慣だったから・・・。
冬が終わりに近付き春の訪れを感じ始めると
あいつの気配も感じ始める。
それは俺が直接感じる事ではなく、
雅紀の目が潤み鼻がグスグスなり始めるから
『花粉の季節がやって来たのか・・・』
と分かる。
季節になる前に注射をしたり薬を飲んだりして
対策を講じても毎年辛そうにしているから、
気休めでも何かしてやりたくて始めたことだった。
今日は先に家を出る雅紀が、
靴を履いて立ち上がると振り向いて
見送る俺を笑顔で見上げる。
そんな雅紀を包むように抱きしめて、
「雅紀に花粉は付かない。
雅紀は花粉なんかに負けない!」
と耳元で囁いてから
体に廻した腕にぎゅっと力を込めると、
「うん、負けない!」
と雅紀が頷いて体を放した。
これが今年から始めた、
出かける前に行われる二人の習慣。
体を離した雅紀が
何かを思い出したようにクスクス笑うから、
「何?」
と問いかけると、
「・・・だって、しょぉちゃん、この前ZEROで
洗濯物に花粉が付かない方法訊かれて
『おまじない』って答えてたじゃん。
絶対この事思い出してるなって思ったんだ」
と、くふふふ・・・と笑う。
・・・そうだよ。
だから、つい口を突いて出てしまった言葉に
内心焦ったんだよ。
「気休めだけどな・・・」
心の声が悟られないように言うと、
「そんな事無いよ!今年まだ全然平気だし!」
と気を遣ってくれる。だけど、
「それは、お前が色々対策してるからだろ?」
毎年情報を仕入れて、乳酸菌を摂ったり
鼻うがいをしたりと、体質改善の努力を
雅紀なりに頑張っている。
自嘲気味になる俺に、
「しょぉちゃんがおまじないしてくれるから
今年頑張れてるのもホントだよ。
おまじない、やめるなんて言わないでね?」
『上目遣い小首傾げ』の必殺技を久しぶりに
繰り出して来た。
・・・・・これに敵うヤツがいるんだろうか?
「やめないよ」
敵わない俺はあっさりと降伏する。
「くふふふ、良かったぁ」
と綺麗な笑顔を見せる雅紀に
俺の中で別の心配が出て来た。
「じゃ、行ってきます」
と行こうとする雅紀の腕を引き寄せると、
段差で俺より低い雅紀の顎を掬い上げ
覆いかぶさるようにキスをする。
唇が触れる寸前まで
驚きに見開かれた黒曜石の瞳に
独占欲をむき出しにした男が写っていた。
「いきなりどうしたの?」
と、頬を染めて目と唇を潤ませた雅紀に、
「おまじない」
と答えると、
「これもおまじないなの?くふふふ・・・」
と嬉しそうに笑い、
「今日も花粉に負けないぞー!」
と元気に玄関を出て行ったけど・・・、
・・・・・・違うよ、雅紀・・・。
今のはおまじないだけど
花粉が付かないおまじないじゃなくて、
無邪気に笑顔を振り撒くお前に
害虫が付かないようにするおまじないだよ・・・。
内心 もっと、きっと。広テレ!
内心 関連ツイート
細いと内心では思ってないのに…😰
接客上手だなぁ。て思った。
多摩美の人間は自分の意見は言うけれど、個性を否定しないのでどんどん発言(コメント)して下さると内心とっても喜びます(⑉• •⑉)❤︎
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