きっと大丈夫を見たら親指隠せ
今日、パパが最初にかかっていた古巣の九州医療センターに行きました
おいしい顔。きっと大丈夫
お昼はお好み焼きと焼きそばを食べるも、全然楽しくない。
こういう料理って、フツーもっと楽しいときに食べるもんだよね。
祭りとかBBQとか。
歯に青のりがついていないか確認して車へ。
病院に近づいていくのもちょっと怖かったけれど、
そのころになるともうあきらめの境地。
悪かったら検査を受ける。
羊水検査もきっと大丈夫だ。
クリアにしたらすっきりするんだから。
ちょっとくらい痛いのはガマンできる。
そう言い聞かせる。
ひと月ほど前に見た病院が見えてきた。
車から降りて中へ。
「羊水検査はどうされますか?」と受付で聞かれて
「超音波診断の結果を見てから決めます」と答える。
すでに涙がでそう。
すぐに呼ばれて診察室へ。
やさしげな先生が
「ご気分はいかがですか?不安ですか?」とにっこり聞いてくれて、
涙目に。
「正常に育っていてほしいと思っています」
そういうのが精いっぱい。
となりでたまくんの緊張と不安もヒシヒシと感じられた。
ゆっくりソファが倒れて、おなかにジェルを塗られて、
久しぶりに天井に映し出されたわが子に再会。
大きくなっているようだ。
「頭囲は3.7センチですね」
脳も正常に育っていますよ。と先生。
どきどき。
そのほか、腎臓なども問題がないようだった。
豆太郎は足を頭のところにぎゅうっとつけて
前屈しているような恰好をしていたので、あまりよく見えず
一度わたしがトイレに行くことに。
母親が動くと胎児も体勢を変えることが多いらしい。
それにしてもかなりな前屈で背骨が大丈夫か心配だったが
赤ちゃんは体が柔らかいので特に問題はないらしい。
ごめんね、子宮がせまくて、とトイレでおなかをなでる。
さて。戻ってもう一度検査開始。
心臓もキレイですね、と先生。
良かった。一つひとつほっとする。
ちょっと羊水の量が少ないけれど、個体差の範囲でしょう、とのこと。
羊水って、母親が作っていると思っていたけれど、
実は赤ちゃん自身がつくっているそうな。
吸い込んで排出して。
だから、あまり少なすぎると腎臓の機能障害とかも疑われるらしいが
そこまでは心配いらないとのことでした。
そして、心配していた心臓の弁の逆流。
先生が慎重にはかってくれる。
「うん、問題ない範囲ですね。正常です」
よかった…!
緊張が一気にほぐれて、2人にのしかかってた暗雲が晴れていくようだった。
そこからはたまくんもうれしそうに赤ちゃんを見ていた。
「性別は知りたいですか?」
と聞かれてたまくんがすぐ知りたいです、といったのにはちょっと驚いた。
私の予想を外れて、女の子!
うん、健康ならどっちでもいいのです。
全体、特に問題がないということで終了。
「羊水検査はどうされますか?」
先生が聞いてくれたけれど、もうふたりとも数値が大丈夫ならいい、という結論。
しかも、羊水が少な目だから検査もあまり推奨できないとのことなのでなおさら。
たまくんも、今回の検査で不安が払しょくできたようなので、
本当に良かったです。
なにより、無事育っていてくれたわが子にありがとう。
帰り路は打って変わって明るい気持ちの車内。
「豆太郎じゃなくて豆子だったね。」
「いや、もう豆サイズじゃないでしょ。」
「そっか。じゃあイモ子かな。小野妹子」
「性別かわっとるやんか」
というくだらない夫婦の会話が交わされる程度に
あたたまっていました。
行きのお通夜みたいな車内とは打って変わって。
本当に一安心。
「もうこれからは、気持ちを切り替えて前向きに準備して行こうね」
とたまくんに念押し。
きっと、大丈夫なはず。
わたしも覚悟ができました。
これからは、私がキミを守るからね。
お風呂でおなかをなでる。
今回、超音波診断や確率計算を受け、羊水検査を検討する中で、
いろんな葛藤があり、夫婦で話し合いもしました。
泣いたり怒ったり。
子どもの将来をシミュレーションしたり。
受けるのは決して悪いことではないと思うけれど、
受けたことで不安が増大されることがあるということ、
受けた後、その結果に対してふたりがどう対応していくかということ、
それを、受ける前に十分に夫婦で話し合う必要がある。
結局羊水検査は受けませんでしたが、
そういったことを感じました。
また、出生前診断の是非について
ドラマの「コウノドリ」の最終話をたびたび思い出していました。
葛藤のすえ、ダウン症の赤ちゃんを産むことにしたお母さん。
産んだわが子を胸にだいて
「この子がかわいくてかわいくて仕方ないんです」
そういっていました。
その前の週には、ダウン症の子ども含めふたりの子を持つ母親が
「大変だけどかわいいんです」
といった幸せそうな感じで描かれていました。
でも。
実際はそうでないケースもあると思う。
大変でつらくて涙することもあると思うんです。
あのドラマ自体は問題提起していてとても良いと思うけれど、
障害児を持って大変な部分って、ほとんど伝わらなかった。
取りあえず、産んでよかった的なメッセージが強かった。
現実はそうなのか。
私はまわりにそういう方がいないからわからないけれど。
あのドラマで、障害を持っていても産むのが正解、正義、という
結論になるならわたしはそれは疑問だ。
十人十色の夫婦の事情。
本当に、子どもとその親が幸せであるように、
それぞれの夫婦が出産に向けてひとつひとつベストな判断をしていくしかない。
そう思っています。